報告書等

「教育・学習データ利活用ポリシー」のひな型の策定について

背景

 近年、多くの高等教育機関には、教育・研究・経営を支援する、さまざまな情報システムが導入され、各システムには教育・学習データが蓄積されるに至っています。こうしたデータは、「ビッグデータ」というスケールに到達しつつあると推測されますが、統計もなく、一部のデータが限定された目的に使用されるにとどまっています。ラーニングアナリティクスに代表されるように、こうしたデータは異次元の大学改革や教育改善をもたらすものと期待が高まる一方で、その多くが個人情報であるということから、各機関ではその利用に慎重にならざるをえず、個人情報保護法でうたわれた適切な利活用と流通には二の足を踏んでいる状況です。

 大学ICT推進協議会では、大学等におけるCIOや情報基盤センターなどのニーズを想定し、教育・学習データの利活用の推進を図るため、「教育・学習データ利活用ポリシー」のひな型として以下のものを提供いたします。この「ひな形」は、大学ICT推進協議会が各機関においてポリシーを制定する際の参考として示すものです。各機関におかれましては、その設置形態による個人情報保護等に関する適用法令の相違や、学内の規程等との整合性に配慮いただき、[AXIES会員大学]を各機関名に変更し、各機関の責任においてポリシーを定めていただく必要があります。

*「教育・学習データ利活用ポリシー」のひな型(2020.10.12版)

よくある質問

Q1. なぜこのような「ポリシー」ひな型を策定したのでしょうか?
A1. ICT、とりわけデータ科学分野の発展に伴い、情報システムに蓄積されている情報が学生や教員などの情報主体が必ずしも予期していない形で利活用されてしまうおそれが現実になりつつあります。また、日本学術会議の9月30日公表の提言「教育のデジタル化を踏まえた学習データの利活用に関する提言-エビデンスに基づく教育に向けて-」(http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t299-1.pdf,
2020 年 10 月 14 日アクセス)が公開されたことを踏まえ、大学におけるデータ利活用を含むICT利用の推進の一助となるように、教育データの利活用のポリシーについて、この「ひな型」を策定いたしました。

Q2. 教育データを匿名化すると匿名加工情報の作成を公示する必要があるのでしょうか?
A2. いいえ。匿名化と匿名加工情報の作成は厳密には異なるものです。匿名化は大学などが個人情報を扱う上での安全管理措置を行っていることにあたります。これに対し「匿名加工情報」は個人情報保護法で定められた事項であり、一定のルールのもとで本人の同意を得ることなく事業者間でデータを利用することを企図して定められたものです。匿名加工情報の作成を公示することもその一部です。

Q3. 匿名加工情報取扱事業者のポリシーを公示する必要があるのはどのような場合でしょうか?
A3. 匿名加工情報を作成したときです。

Q4. 複数の大学の研究グループでデータを利活用したいのですがどうすれば良いでしょうか?
A4. これは個人情報の大学間での共同利用にあたりますが、この「ひな型」では扱っておらず対象外となっております。この「ひな型」は、大学の新たなミッションとして教育・学習データの利活用を大学内で包括的に推進するという文脈のもとで策定しています。

Q5. この「ひな型」についての質問やコメントがあるときの窓口はどこでしょうか?
A5. 以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
https://axies.jp/inquiry/

Q6. 個人情報保護法の改正等に対応する今後の見通しはあるのでしょうか?
A6. 大学 ICT 推進協議会、学術・教育コンテンツ共有流通部会で継続的に見直しを行うことを予定しております。「ひな型」の更新があった場合には差分等を明確にいたします。